第2回 「盛岡冷麺に見る日本の食文化」 

日、地元紙に「盛岡冷麺『特産』に公取委が承認」という記事を見つけました。食べ物としての歴史があり、他の麺類と明確な違いがあるということです。しかし、冷麺は、もちろん韓国料理が原点です。それが何故、岩手県盛岡の特産品 なったのでしょうか?
後に盛岡の地に定着した在日韓国人一世の方が、冷麺作りを始められました。 大変な苦労の上、独自の味を定着させ、焼き肉店や食堂の定番メニューとなりました。
がて製麺業者が土産物として販売するようになると、ヒットに目をつけた県外の業者からも模造品が発生しました。それらと区別をつけるために、岩手県の製麺業者の組合が「特産」と表示できるよう運動していたのです。


は、そもそも韓国での冷麺の原形とはどのようなものでしょうか。 典型的なものとしては、麺はそば粉と緑豆(りょくとう=もやし等に使われる豆)粉で作られ、若干黒っぽく細くしなやかです。スープはキムチの漬け液の上澄みで酸味のきいたものです。  
方盛岡冷麺は、馬鈴薯(ジャガイモ)でん粉と小麦粉の配合で、黄色味がかった半透明で独特の強い弾力があります。スープはしっかりと牛骨で出汁を取り、 真っ赤になるくらいキムチのタレが入ります。この独特の食感と辛さが病み付きになり、熱烈なファンをが増やして来たのです。
う言えば、最近大ブレイクのN食品の即席麺・トンガラシ麺も、この冷麺の ブームと無関係に開発されたものではないと思います。
でも敢えて言わせて頂ければ、伝統的な料理手法を守り、在日の方だけが育てて来たとしたら、これだけのブームには発展することはなかったでしょう 。
本の代表的な食べ物を見わたすと、トンカツは西洋料理のカットレット、カ レーはインド料理のガラムマサラ、ラーメンだって中国の原形とは大きく違っています。日本人は外国の料理の良さを引き出しながら、地元の食材を使って、自らの口に合う独自の味に仕立て上げてしまいます。
産と認められた盛岡冷麺にも、この日本人独特の食文化の柔軟性が背後 に隠れているような気がします。
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